連続ドラマW:空飛ぶタイヤ (2009)

WOWOW連続ドラマWで2009年に公開されたテレビドラマ。大企業のリコール隠しに切り込むヒューマンサスペンス。運送会社のトレーラーのタイヤが外れ母子が死傷。運送会社の経営者が責任追及を受ける中、自動車会社の隠蔽工作が浮かび上がる。

巨大組織の暗部とそれに立ち向かう人々を描いた社会派ヒューマンサスペンス「空飛ぶタイヤ」。原作は「果つる底なき」で江戸川乱歩賞を受賞するなど、数々の話題作で知られる池井戸潤。銀行出身の知識を生かした経済小説や、徹底した取材によるリアリティで幅広いジャンルを手掛ける実力派の作家であり、本作「空飛ぶタイヤ」は、テーマや構成、リーダビリティの巧みさなどが評価され、第136回直木賞の候補にもなった話題作である。 WOWOW連続ドラマ「空飛ぶタイヤ (2009)」

出演陣も話題作に相応しい顔ぶれが揃った。主人公の運送会社社長・赤松には、ドラマ「チーム・バチスタの栄光」、映画『K20』と目覚しい活躍を続ける仲村トオル。赤松と対峙する自動車会社の課長・沢田に、大ヒット映画『ハッピー・フライト』での主演も記憶に新しい田辺誠一。銀行マンとして厳正な審査を行おうとするホープ銀行調査役・井崎には、実力派の呼び声高い萩原聖人。事件の鍵を握る雑誌記者・榎本には、独自の演劇ユニットを立ち上げるなど精力的に活動を続けている水野美紀。全ての秘密を握る自動車会社常務の狩野には、2008年だけで9本の映画に出演するなど、近年目覚しい活躍を見せる國村隼。その他にも豪華なメンバーが集結。また、監督は、WOWOWでの放送後に映画公開もされたドラマW「長い長い殺人」の麻生学が、満を持して連続ドラマWの初メガホンを取る。
真相は隠され、大企業の圧力に屈しそうになりながらも自分の信念に基づいて闘うことを選択する主人公と登場人物、それぞれの立場における責任と正義。オールスターキャストでおくる社会派ヒューマンサスペンスドラマにご期待ください。

第1話 >> hulu.jp >>Prime Video

運送会社赤松運送社長の赤松(仲村トオル)は、配送中のトラックの車輪脱輪による母子の死傷事故が原因で警察の捜査を受ける。これにより配送業務の依頼は大幅に減り、経営が厳しくなるが、車両整備の社員を信じ、大企業のホープ自動車に対して事故の再調査を訴える。ホープ自動車のカスタマー相談係沢田(田辺誠一)は赤松の執拗な依頼をきっかけに常務の狩野(国村隼)を筆頭としたリコール隠しのための秘密会議があることを知る。系列のホープ銀行では調査役の井崎(萩原聖人)がホープ自動車へ融資に対する甘い稟議を求められていたが、記者・榎本(水野美紀)からメーカー側に疑いがあることを知らされ判断できずにいた。その頃また一つ、赤松運送に取引先から取引停止の連絡が入り…。

第2話 >>hulu.jp

赤松は自分たちで事故の調査を開始すべく ホープ自動車の沢田に部品のハブの返却を求めるが、沢田は要求を退ける。一方、沢田はリコール隠しを確信し、同僚の小牧(袴田吉彦)と共に証拠を探し始めるが、その行動が露見し、品質保証部の杉本(尾野真千子)に呼び出される。ホープ銀行の井崎は専務の巻田(西岡徳馬)とホープ自動車常務の狩野んい呼び出され、融資の決断を迫られていた。狩野は井崎の婚約者(ミムラ)の叔父であり、井崎は公私ともに融資への圧力をかけられることになるため苦しい選択を迫られていた。

第3話>>hulu.jp

メインバンクのホープ銀行からの貸しはがしに遭い、金策に奔走する赤松の元に被害者の柚木(甲本雅裕)から民事訴訟の訴状が届く。社員から退職者が出るなど窮地に陥る赤松。一方、榎本(水野美紀)の取材は着々と進んでいた。このスクープが出れば事態は大きく変わる。そう信じて、赤松達は記事を心待ちにしていた。ホープ自動車では沢田達の活動は狩野の知るところとなる。狩野は沢田に対して希望の部署への移動という策を用意し、沢田の動きを封じ込めようとする。夢をあきらめきれない沢田は狩野の話を呑む為、赤松との一件に決着をつけようと、ある策を用意する。

第4話>>hulu.jp

商品開発部に異動した沢田は、希望する商品開発の仕事を正当に評価されずにジレンマを感じていた。そして、榎本のスクープ記事を心待ちにしていた赤松らの落胆は大きかった。記事が掲載されなかった理由を問い詰めるが要領を得ない。実は裏では、狩野が出版社に圧力をかけ、記事を差し止めていたのだ。榎本に詰め寄る赤松。赤松の気迫に負けた榎本は、自分が調べたホープ自動車関連の事故リストを差し出す。そのリストにある会社を一つ一つ調べるていくうちに、ついに赤松は自分と同様にホープ自動車について調べていた人物にたどり着いたのだが…

最終話>>hulu.jp

赤松から突き付けられた虚偽報告の決定的な証拠で沢田は愕然とし、狩野はすぐに手を打とうと動く。証拠を警察に持ち込み、真相究明するよう刑事の高幡(遠藤憲一)に要求。赤松の持ち込んだ証拠を元にホープ自動車への家宅捜索を行う高幡だったが、押収品から不正の決め手となる証拠が出ない。全ては狩野が徹底的な隠蔽工作指令を出していたのだ…。果たして、事故原因は整備不良で終わってしまうのか?それともリコール隠しの罪は暴かれるのか?それぞれが、己の夢と希望と正義をかけて動き出した時、その先に見えるものとは?

More Stories
Morning wild flower