子どもの頃から、図書館にある国内外のミステリを読み漁る日々を送り、特に江戸川乱歩賞受賞作は必ず買って読むほどで、いつか自分で書きたいと作家を志すきっかけになった[2]。
岐阜県立加茂高等学校から慶應義塾大学文学部および法学部卒業後、1988年に三菱銀行(当時)に入行。1995年、32歳の時に同行を退職し、コンサルタント業のかたわら、ビジネス書の執筆や税理士・会計士向けのソフトの監修をしていた。ビジネス書の執筆業は順調だったが、テーマが限られていることから将来に不安を感じ始め、夢だった江戸川乱歩賞を目指し始める。
最終選考での1度の落選を経て、1998年、『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞、作家デビュー。
2010年、『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を受賞。
2011年、『下町ロケット』で第145回直木賞受賞。
元銀行員の経験を生かしたミステリー(『果つる底なき』)、銀行を舞台にした半沢直樹シリーズ(『オレたちバブル入行組』ほか、『不祥事』など)、中小企業を舞台にした『下町ロケット』、弱小企業野球部の救済を描く『ルーズヴェルト・ゲーム』、企業の不正を描いた『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』、政治と若者の就職難をテーマにした『民王』など、幅広いジャンルのエンタメ作品に挑戦している。
半沢直樹シリーズ
・オレたちバブル入行組(2004年12月 文藝春秋 / 2007年12月 文春文庫)
・オレたち花のバブル組(2008年6月 文藝春秋 / 2010年12月 文春文庫)
・ロスジェネの逆襲(2012年6月 ダイヤモンド社 / 2015年9月 文春文庫)
・銀翼のイカロス(2014年8月 ダイヤモンド社 / 2017年9月 文春文庫)
花咲舞シリーズ
・不祥事(2004年8月 実業之日本社 / 2007年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫【新装版】 / 2014年4月 実業之日本社ジェイノベル・コレクション)
・花咲舞が黙ってない (2017年9月 中公文庫)
下町ロケットシリーズ
・下町ロケット(2010年11月 小学館 / 2013年12月 小学館文庫)
・下町ロケット2 ガウディ計画(2015年11月 小学館)
【改題】下町ロケット ガウディ計画(2018年7月 小学館文庫)
・下町ロケット ゴースト(2018年7月 小学館)
・下町ロケット ヤタガラス(2018年9月 小学館)
その他の小説
・果つる底なき(1998年9月 講談社 / 2001年6月 講談社文庫)
・M1(2000年3月 講談社)
【改題】架空通貨(2003年3月 講談社文庫)
・銀行狐(2001年9月 講談社 / 2004年8月 講談社文庫)
・銀行総務特命(2002年8月 講談社 / 2005年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫【新装版】)
・MIST(2002年11月 双葉社 / 2005年7月 双葉文庫)
・仇敵(2003年1月 実業之日本社 / 2006年1月 講談社文庫 / 2016年4月 実業之日本社文庫)
・BT ’63(2003年6月 朝日新聞出版 / 2006年6月 講談社文庫)
・最終退行(2004年2月 小学館 / 2007年5月 小学館文庫)
・株価暴落(2004年3月 文藝春秋 / 2007年3月 文春文庫)
・金融探偵(2004年6月 徳間書店 / 2007年7月 徳間文庫)
・銀行仕置人(2005年2月 双葉社 / 2008年1月 双葉文庫)
・シャイロックの子供たち(2006年1月 文藝春秋 / 2008年11月 文春文庫)
・空飛ぶタイヤ(2006年9月 実業之日本社 / 2008年8月 実業之日本社ジェイノベル・コレクション / 2009年9月 講談社文庫)
・鉄の骨(2009年10月 講談社 / 2011年11月 講談社文庫)
・民王(2010年4月 ポプラ社 / 2013年6月 文春文庫)
・かばん屋の相続(2011年4月 文春文庫) – 文庫オリジナル
・ルーズヴェルト・ゲーム(2012年2月 講談社 / 2014年3月 講談社文庫)
・七つの会議(2012年11月 日本経済新聞出版社 / 2016年2月 集英社文庫)
・ようこそ、わが家へ(2013年7月 小学館文庫) – 文庫オリジナル
・陸王(2016年7月 集英社)
・アキラとあきら(2017年5月 徳間文庫) – 文庫オリジナル